音楽史上、唯一無二の鋭敏な感性に耳を澄ます
武満 徹
TAKEMITSU
1930-1996
そして、それが風であることを知った(フルート、ヴィオラとハープのための)/雨の樹(3人の打楽器奏者のための)/海へ(アルト・フルートとギターのための)/ブライス(フルート、2台のハープ、マリンバと打楽器のための)/巡り−イサム・ノグチの追憶に(フルート独奏のための)/ヴォイス(声)(フルート独奏のための)/エア(フルート独奏のための)/雨の呪文(フルート、クラリネット、ハープ、ピアノとヴァイブラフォンのための) 8.555859J(片山杜秀氏による日本語解説書付き)
(録音: 2001年6〜8月 カナダ、トロント、トロント芸術センター)
*日本作曲家選輯*
ロバート・エイトケン(fl)/ニュー・ミュージック・コンサーツ・アンサンブル [ノーバート・クラフト(g)/エリカ・グッドマン(hp)/サンヤ・エン(hp)/ロビン・エンゲルマン(perc)/ジョン・ワイヤー(perc)/ボブ・ベッカー(perc)/ラッセル・ハーテンバーガー(perc)/ライアン・スコット(perc)/デーヴィッド・スワン(p)/ホアキン・バルデペニャス(cl)/スティーヴン・ダン(va)]
8.555859J
武満がなぜ世界中で絶賛されたのか、その理由を知るための入門盤として最適なアルバムです。とにかく美しい、そうとしか形容のしようのない音だけが、ここにあります。それは音楽史上、彼だけが楽譜に記すことができた音です。たいていの音楽愛好家が普通は嫌う、無調の音楽なのに美しいマジカルなタケミツ・サウンド。収録曲中「雨の樹」以外はフルートを中心とする室内楽で、70年代初頭の「ヴォイス(声)」から、作曲者最後の作品「エア」までを収録。そのフルートを吹くエイトケンら、生前の作曲者と親交があり、直接指導を受けたカナダの奏者たちの理想的な演奏でお届けします。
日本のレコード会社が手を出さなかった日本人作曲家の代表作を、かつてない規模で世界に紹介する「日本作曲家選輯」なんて大英断企画までスタートさせてしまった。で、この武満徹作品集がまたいいのだ。繊細かつ透明でありながら、この作曲家ならではの親密な空気感も伴っていて・・・・汎世界的な評価を得たタケミツの神髄が、生前親交のあったカナダ人奏者たちの演奏によってここに凝縮されている。(週刊朝日 吉村渓)
カナダの演奏家たちによるタケミツの室内楽作品集。各作品に即して、彼らが心からの共感を持ってイメージを広げているのが伝わる。(毎日新聞 今月私の3枚 梅津時比古)
親交の深かったエイトケンをはじめ、カナダ・トロントの奏者たちが、映像的空間的な武満世界を色細やかに出現させている。(ぶらぁぼ 4月号)
『雨の樹』も音楽そのものがきわめてスタティックな耽美的なものだが、この演奏は、まさにそれを実践している。こうした演奏で聴くと、この音楽の反復音形によるクライマックスへの過程が、ごく自然な成り行きとして表現されている。(レコード芸術 2003年5月 佐野光司 推薦)
このレーベルで常に感じる少し細み・軽快で透明度高いサウンドを聴かせ、それが収録作品たちの音世界に似合っていて印象が強かった。(中略)それでベスト・ワン。日本人作曲家選集が海外で編まれることの残念さと嬉しさとを込めて、「武満徹/室内楽作品集」を挙げておこう。(レコード芸術 2003年5月 神崎一雄 優秀録音)
タケミツほど文化を芸術へと昇華させる繊細な技を持った作曲家はそうはいない。一 見シンプルに聴こえる作品が実は「less is more」であると気づかせるであろう。
(Gramophone Awards issue 2003 Editor's Choice)
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