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一度聴いたらクセになる・・・昭和の音楽絵巻物

橋本 國彦
HASHIMOTO
1904-1949

交響曲第1番/交響組曲「天女と漁夫」 8.555881J (片山杜秀氏による日本語解説書付き)
(録音: 2001年7月 東京芸術劇場)
*日本作曲家選輯*

沼尻竜典(指揮)/東京都交響楽団

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多様化した音楽スタイル、悲しむべき戦争を一端とした日本の動乱。"カオスと化した20世紀"に翻弄されつつも、日本における近代〜現代音楽の潮流をリードした橋本國彦。そのあまりに多彩で重要な活動は、第二次世界大戦後になって意識的に封印されていたきらいがあります。第2楽章に沖縄の音階を使ったことで有名な「交響曲第1番」(皇紀2600年奉祝曲)は驚くべきことにこれが初録音。「羽衣伝説」に基づくバレエ音楽「天女と漁夫」は、近代フランス音楽と日本の伝統文化との融合。作品の再評価を促す、沼尻/都響の素晴らしい演奏で。

「沼尻&都響コンビが細心の気遣いで奏でる雅楽風のたおやかな序奏から終曲まで、不思議な懐かしさを湛えた瑞々しい日本のメロディたちが、西洋の様式の中を自由に泳ぎまわっていて寛げる。特に好きなのは、琉球調の旋律と賑やかな本土の祭り囃子との入れ替わりが印象的な第2楽章。」
(ぶらぁぼ 2002年9月号)

「交響曲は知的な作曲家としての明快な構造性をもって書かれているが、沼尻の指揮も作品をよく研究している。第一楽章のおおらかな主題旋律の表情は実に美しく、もちろんそれらの構築は明確である。第二楽章アレグレットの執拗な主題の反復に示されるさまざまな様相も指揮者の強い共感をあらわしている。さらに第三楽章での日本情緒と歌謡旋律の表現、フーガの巧みな主題の明減など、これは作品の輪郭をよくとらえた演奏と言うべきであろう。」 
小石忠男 レコード芸術 2002年10月号

「明快な構成のなかに雅楽、琉球音階、民謡など多様な要素を織り込んで、社会主義リアリズムの音楽を思わせる何かがある。ショスタコーヴィチのような皮肉ではなく、叙情的な旋律を全面に前進していく音楽は国威発揚という目的だけでなく、橋本のすぐれた音楽的資質を存分に語っている。」 
三橋圭介 音楽現代 2002年10月号

「まさに『戦前の日本にもこんなに凄い交響曲があったのか!』と目からウロコ必至の逸品である。沼尻竜典&都響が今回もいい仕事をしている。」 
吉松隆 音楽の友 2002年10月号

「多くの後進を育てながら創作にいそしんだが、生きた時代が悪すぎた橋本國彦(1904〜1949)は、この2曲の初録音で再評価されるのではないか。」 
木幡一誠 パイパーズ 2002年10月号

「交響曲第一番は、雅楽を模した響き、沖縄音階、祭り囃子のリズムなどを導入、叙情的な旋律と交響曲としての重厚さを備えた大作だ」  
ヴァリエ 2002年10月号

「第一交響曲は40年の作品。和から洋までの実に材料豊富なアイディアが盛り込まれた秀作。印象派風で始まる《天女と漁夫》は33年の作。ともに優れた演奏での世界初録音となった。」
松本 學 CDジャーナル 2002年11月号

「日本の作曲界で橋本國彦の名前は知っていても、その作品に触れることは少ない。彼のこのCDで素晴らしい才能の一端をうかがうことが出来る。」
クラシック・ニュース

「多彩な作風の根幹にあるのは、愛おしいばかりのリリシズムだ。そこが和洋折衷の”臭み”を消し、独特の魅力を創出している。沼尻・都響も第1作同様の好演。とにかく買って、聴いて、確かめて欲しい。」
柴田克彦・クラシックプレス2002年冬号

交響曲第一番は傑作でこそないが、ロマン派ナショナリズムの意外なほどに優美な交響曲となっている。田園的なオープニングで始まり(おどりや行進曲もはさまれている)、続く頭から離れないスケルツォ、最後は主題と変奏。変奏を締めくくるフーガは主題と動機を持ち出し、驚くほど簡明に終わる。橋本は流暢に、職人気質の技術を持って作曲したことにより、いわゆる社会主義リアリズムの粗末な曲とは比べ物にならない高いレベルの作品となった。戦時中のナショナリスト趣味を超えて、魅力ある、色彩感あふれた作品そのものを楽しむことができるだろう。沼尻指揮の都響はこれらの作品を喜びと品格を持って演奏していて、とびきりの録音
となっている。ナクソスの日本作曲家選輯はアメリカ、スペイン、イギリスのシリーズと同様に、未知なる遺産への興味をかきたてるので非常に興味深い。まず聴いてみよう、後悔はしないから。
(David Hurwitz Classics Today.com)

全体にわたって演奏は第一級であり、東京都交響楽団は、平明な美しさと力強く堂々たる交響的書法の中で見事なバランスを保っている。もしもリスナーが尺八の響きや能のジェスチャーのようなものを期待するならば、ここにはそのようなものはないであろう。しかし、日本の作曲家を全て伝統音楽とその構造の枠の中のものと見ることは、広く世界的視野を持ちえた橋本の才能を見落としてしまうことになる。マーラーが「交響曲は世界そのものであり、すべてを包括していなければならない」と主張したように、橋本は彼の時代の音楽文化の主流を吸収し尽くし、彼自身の世界をその音楽語法の中に映し出したのである。その結果が、非常なエレガンスとイマジネーションを湛えたこれらの交響的作品である。NAXOSが将来、橋本のその他の作品をさらにリリースすることを期待する。橋本は広く聴かれるに値する作家であり、聴衆が注意を向けるならば、その努力は何倍にも報いられるだろう。
(Peter Wells, Radar Magazine)


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