世界初録音を含む、世界に羽ばたいた"反逆児"の素顔
黛 敏郎
MAYUZUMI
1929-1997
シンフォニック・ムード(1950)(世界初録音)/バレエ音楽「舞楽」(1962)/曼荼羅交響曲(1960)/ルンバ・ラプソディ(1948)(世界初録音) 8.557693J(片山杜秀氏による日本語解説書付き)
(録音・編集(24bit): 2004年8月 ニュージーランド、ウェリントン、ロワー・ハット・タウン・ホール)
*日本作曲家選輯*
湯浅卓雄指揮/ニュージーランド交響楽団
8.557693J
作曲家としての駆け出し時代、パリに留学するも、欧州に学ぶ物なしとしてすぐに帰国するなど、黛敏郎は反逆児的な存在でした。芥川也寸志と同様、メディアでの活躍で知名度は高くとも、肝心の音楽は、一部の超有名作を除いて十分には紹介されてきませんでした。世界初録音2曲を含む当盤で、我々はその素顔を知ることになります。ガムラン、東アジア、両界曼荼羅、ラテンに題材を得て、一見国籍不明でも、音を聴けば確かに日本人ならではの美意識が一貫して感じとれます。一切の先入観無しに、純粋に楽しめる音の饗宴が、ここにあります。武満よりも先に欧米で演奏された黛の芸術、その再評価は、21世紀の課題となるでしょう。
毎日新聞「今月の私の3枚」推薦盤
レコード芸術 特選盤
曼荼羅交響曲、《舞楽》に、初録音の《シンフォニック・ムード》と《ルンバ・ラプソディ》を加えたもの。黛の音楽の確かさ、楽しさ、そして同時代性を、あらためて教えられた。
- 礒山雅 (毎日新聞 2005.3.23)
黛敏郎作品の素晴らしいCD。ナクソスの日本作曲家選輯の1枚で、2曲の世界初録音を含む。湯浅卓雄指揮のNZ響が精緻、精細、かつダイナミックな音と響きで快演を聴かせる。多彩で目眩くような音色とリズムの夢幻的饗宴は黛音楽ならではの世界で、改めて彼の天才と革新的芸術性を認識させられる。そしてまた、黛の鋭い感性によるイメージがつむいだ音の綾の全てを空間の音響美に変換した優れた録音も高く評価したい。それだけに再生の質の高さが要求される優秀録音だ。
- 菅野沖彦 (STEREOSOUND 2005 no.155)
黛敏郎19歳の管弦楽第1作「ルンバ・ラプソディ」と、初めて発表された管弦楽作品「シンフォニック・ムード」(ともに世界初録音)が聴きもの。印象派や原始主義にガムランやラテン音楽などを混交させ、俗っぽさもバタ臭さも飲み込んでオケが爆走する。
- Varie (2005.4)
演奏と録音の首尾だけをとれば今月の本棚でも最高の1枚だ。(中略)ニュージーランド響は毎度ながら管も弦も水準が高く、この作曲家のメチエの底流をなすフランス的な色彩感と明晰な線の流れを際立たせつつ、旋律素材となる雅楽の音律や東洋音階を何の思い入れも含みもなくストレートに鳴らしていく。
- 木幡一誠 (パイパーズ 2005.5)
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